『かぜ』 どんなときに検査をするのか

新年度になり、新しく幼稚園、保育園デビューした子どもたちが、たくさん病院を受診しています。保護者の方はみなさん「洗礼を受けました」と言います。それまで集団生活をしてこなかった子どもたちにとって、幼稚園・保育園は細菌、ウイルスに接触する機会が格段に増えます。最近ではRSウイルスが猛威を振るい、多くの地域で患者数が増えています。

かぜ症候群(上気道炎)の原因の多くはウイルス感染です。咳、鼻汁、発熱などの症状が出ます。ウイルス感染に抗菌薬は効果がなく、自然治癒を待つことになります。その中で、鼻汁、咳などに鎮咳去痰薬が使われたり、高熱でぐったりしているときに解熱剤が使われたりします。

発熱期間が長い、ぐったりしている、食事が取れないなど、典型的な上気道炎の経過ではない場合や症状が重い場合は、血液検査や尿検査、レントゲン検査などが追加になる場合があります。上気道炎の経過が長引いたとき、中耳炎や肺炎、副鼻腔炎などを起こしている可能性を考えなくてはなりません。これらの感染症は細菌が原因であることも多く、抗菌薬の適応となります。

病院を受診するタイミングとしては

  • 発熱が5日間以上持続している
  • ぐったりしている
  • 食事、水分が取れない
  • 尿が減っている
  • 眠れていない

このような症状があれば、細菌感染症の可能性や脱水の可能性を考えます。スクリーニングとして血液検査がされることもあります。一般的な開業医での検査では白血球数、血小板数、ヘモグロビン、CRPなどが調べられます。それぞれについて、次回から検査値シリーズとしてまとめます。

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