先日、家族3人で初めて劇団四季を鑑賞しました。演目は「ライオンキング」です。娘はディズニー映画の中でもライオンキングがお気に入りです。自宅で何度も映画を見ています。歌の歌詞を覚え、踊りを混じえ披露してくれます。
ムファサ(父)とシンバ(子)の関わりから、親と子どもの関係性を考える良い機会になりました。子どもの成長に伴い、どんなことに気をつけるべきか、自分なりに考えてみました。
幼児期(0歳〜3歳)
子どもと親の依存関係がもっとも強い時期です。親は子どもの生活を管理し、子どもは親の存在を安全な基盤として捉えます。親は子どものニーズを満たし、愛情と安全を提供します。親子の絆が特に強く、子どもの心身の発達に大きな影響を与えます。
- 私が家庭で気をつけていることは、子どもの自己肯定感を下げないように、と言うことです。
- なんでも自分でやりたがる時期です。子どもが挑戦していることを見守ることが大切だと考えています。洋服を着る、スプーンを使って食べる、みかんの皮を剥く、靴を履く、手を洗う。どれも時間がかかります。親が手伝った方が早く終わることは明確ですが、急がなければならない事情がない時は、見守ってあげたいものです。自分で挑戦したことが、子どもにとっての経験となり、たとえできなかったとしても、頑張ったことを適度に褒めています(褒めることへの賛否はありますが)。
- 他人との比較をしないようにしています。できることや体格など、個人差があることを指摘しても良い効果はあまりないようです。子ども自身が、自分に誇りを持ち、親はありのままの姿を受け入れてくれている安心できる存在だ、と感じてもらいたいと思っています。
- 特に父親としては、子どもにとっても、妻にとっても、頼りになる存在でいたいものです。家庭内で大きな怪我や誤飲をしないための注意事項、怪我をした時のケア、予防接種について、など、父親も知っておくべきことがたくさんあります。
- 小児科医として
- 成人を扱う診療科と異なり、ほとんどが親子(祖父母と孫のことも)での受診です。乳幼児健診では子どもの成長発達に加え、保護者の心理面にも配慮したいと考えています。それは、子どもを中心としながらも、家族みんなで元気に、幸せに過ごしてほしいからです。皮膚のこと、うんちのこと、吐き戻しのこと、予防接種のこと、育児で不安なこと、なんでも相談してください。その時すぐに答えられないものもあるかもしれませんが、一緒に悩むことはできます。
学童期(4歳〜12歳)
学童期になると、子どもには社会的な発達と自立心が芽生え始めます。親は引き続き安定したサポートを提供しますが、子どもは自分の考えや感情を表現し、独自の興味や関心を持ち始めます。この段階では、親子の間で意見の相違や衝突が生じることもあります。
子どもの初めての社会生活は「幼稚園や保育園に行くこと」が多いのではないでしょうか。これまで両親、兄弟姉妹、祖父母との関係がほとんどだったものが、突然関わる相手が増え、多様になります。戸惑う子どもも多いでしょう。親としても、大事に育ててきた子どもが幼稚園に入ることは、寂しく、不安があります。怪我をしないか、嫌なことを経験しないか、いじめの被害者・加害者にならないか。案外、心配したことは起こらず、取り越し苦労のこともありますが、その逆もあり得ます。
4月から、娘も幼稚園に通い始めます。今後も記録として残していく予定です。
青年期(13歳〜18歳以降)
青年期になると、子どもはより大きな自立を求め、親から離れてアイデンティティを形成し始めます。親は子どもの独立心を尊重しつつ、安定したサポートを提供します。親子の関係は、相互の尊重と対等なコミュニケーションに基づいて発展していきます。青年期には、子どもは学校や社会で新たな責任を負い、将来の目標やキャリアに向けて自己を発展させます。親は子どもの成長を支援し、彼らが自立した大人として成功するためのスキルを身につけるのを手助けします。
女の子の父親として、どんなことができるのか、今から不安です。友達との関係、異性との関係、勉強のこと、進路のこと。たくさんの悩みが生まれるでしょう。自分がそうであったように。全てに応えることは難しいでしょうし、そんなつもりもありません。最後に助けを求められる存在ではありたいと思います。そのためには、子どもがまだ小さなときから信頼関係を保ちたいです。
- 小児科医として
- 精神的な悩みを抱えた患者さんに対応することも多いです。家族の関係が良くない子もいます。友達、先生など、他のところで頼れる存在がいれば良いのですが。
- 「食べているか、眠れているか」は大切にしています。生きていればそれで良い、まずはそう思ってもらいたいです。
子育てに正解はないですが、なるべくは悪いことはしたくないです。自分は良かれと思ってしたことも、子どもが嫌がることもあります。親のありがたみを感じて欲しいとは思いません。異なる考えを持った人間同士、相容れない部分はあるでしょう。不安なことだらけな子育てですが、悩み続けていきたいです。時には子どもに、父の対応、態度をどう感じたのか聞きながら。
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